布を羽織った獣
最近よく洋服のことを考えている。
服がきらいでも、この社会で生活している限り、服を着なければ生きていくのはむずかしい。けれども、どれだけ服が好きであっても、この社会で生活していくには、着られる服は限られる。
悲しいことに土日休みの労働者であるところのぼくは、週末に服を買い、翌週末にその服を着ている。もしその服がフォーマルなものであれば平日に着ることもできるが、そうもいかない。
意外と、自由な服装を許されている場はすくない。休日の外出であっても、あまりに奇抜すぎる格好を貫き通すには、とても強い自我が必要だし、度が過ぎれば公共の場を乱したと思われかねない。街はランウェイではないのだ。
UNIQLOでの買い物は自傷行為にも似ていて、際限なく縫い合わせた布を買い漁ることで満ち足りた気分になる。最近は実店舗に行くのも面倒になり、オンラインで済ませている。全身のコーディネートがUNIQLO製品であっても気づかれないし、そもそも他人の服に強烈な関心を持って接してくるひともあまりいない。あなたは、他人の服がどこのブランドのものか気にしますか?
とはいえ、ブランド品に興味がないかと言えばそんなこともなく、最近良いコートを買ったのではやく着させてくれと冬の訪れを切望している。
余談。朝礼で冬が好きと言ったら否定的な意見が多くて驚いたよ。