Mjuka

てきとうに。

食べるコミュニケーション

f:id:literature073:20181213204902j:image

 ひとりの食事は、その料理と向かい合いすぎてしまい、おいしくないように感じる気がする。

 じぶんが繊細な味覚の持ち主だとは思わないけれど、誰かといっしょの食事のときには感じられないような「雑味」を覚えることがある。「雑味」というのが本来的にどのような意味であるかとか、どのようなものであるかは知らない。ただ漠然と、「おいしくなさ」のひとつだと思っている。

 手の込んだ料理がかならずしもおいしいわけではないことは、身をもって知っている。そしてそれがとてもつらいことも。

 「おいしくない」。そう言ってしまうのはひどく簡単だ。ただそれを料理をつくってくれたひとに言うのは配慮に欠けるし、失礼なことだ。だから僕は口を噤んでにこりと微笑む。