Mjuka

てきとうに。

折り合い

しばらく生きていると、好きなことだけではなく、きらいなことや苦手なことと付き合っていかなければならないときがある。好きなものやことだけが増えれば良いのだけれど、なかなかどうしてそうはいかない。だからぼくたちはそれらと折り合いをつけて、暮ら…

Never forget this time.

父(宗教的な比喩ではない)は誰かの死について「忘れろ」と言う。より正確な言い方をすれば、そのひとが死んでしまったことによる「悲しみ」や「痛み」を抱えつづけるなと言う。なぜかと問えば「良いことではないから」だと答える。理不尽な返答だろうか。…

「物語」る声優との距離感

「作家の気持ち」というのは作家本人にしか(あるいは作家本人でさえ)知らないことであるのに、それを考えようとする試みは後を絶たない。このような作家を中心とした「読み」は、作家にたいする憧憬がどこかにあるのではないかと思う。そして、その憧憬は…

親の付き添い

東北大2次試験、受験生がバス乗れず 原因は「付き添いの親」 先日行われた東北大学の入試(二次試験)に受験生の親が付き添ったことが話題になった。ここまで大きな騒ぎになったのは「親の付き添い」というより、受験生がバスに乗れず試験会場に行けなくなっ…

いわゆるセカンドシーズン

花澤香菜のソロ活動セカンドシーズンが、ソロデビュー時と同じく北川勝利(ROUND TABLE)のプロデュース楽曲、『恋する惑星』(2013年12月25日発売)からはじまった。 セカンドシーズンではファーストシーズンとは異なり、北川以降の楽曲プロデューサーが発…

灰色文献と災害記録

世の中には「灰色文献」と呼ばれる、入手が困難な資料が多くある。官公庁の報告書などが「灰色文献」となりやすいものとして挙げられる。それらはもともと明確な流通経路が存在するわけではないために、入手が困難になりやすい資料だ。近年、これらの資料はw…

「音楽制作ユニット」MintJam

米澤穂信論を書けと急き立てられたのですが、なんの準備もなしに書けるものでもないので、同人音楽の話でとりあえずお茶を濁すことにします。 同人音楽の話はこれまでに何度かしていて、直近ではRocketeer Tracksについての記事がそうですね。誰かあの文章を…

気楽な人生

いわゆるライフハック系の記事が何年かまえに流行ったけれど、けっきょくあれはなんだったのだろうかと思うと同時に、あのようなお手軽自己啓発もたまには良いのではとも思うようになっている。 そんな言い訳をしながら、いまから自己啓発のような文章を書こ…

「おうちポップ」について――Rocketeer Tracksとの出会い

「おうちポップ」という独自の路線をひた走るRocketeer Tracksに出会ったころ、ぼくは大学一年生だった。 ある講師が宮沢賢治の「よだかの星」について雑談をしていて、ふと気になって検索したのがきっかけだった。そのときの検索ワードがなんだったのか、い…

記憶のなかのひと

ぼくには中学・高校とお世話になった先生がいる。 通っていた学校が中高一貫校だったわけでも、この「先生」という記述がたんに複数であるというオチでもなく、同一の先生に、中学・高校でお世話になったことがある。 「お世話になった」といっても、彼は担…

「歌手」としての花澤香菜

どうにも花澤香菜論を書き進められない状況が続き、彼女の1stアルバム発売から三か月が経とうとしている。三か月……1クールである。アニメによっては放送が終わり、視聴者たちはあたらしい「嫁」探しに向かうころだ。 なので、まったくまとまっていないし、導…

橋本紡の引退表明に思うこと

http://nekodorobo.exblog.jp/20279928/ (Twitterでの自身の発言をまとめたものなので、全体的にみると違和感のある文章になっている)(2015年2月5日現在、閲覧不可) はじめて橋本紡の作品に触れたとき、たしかぼくは中学生で、学年は二年生ぐらい。そん…

歌をうたう声優

花澤香菜の1stアルバム発売以来、声優が歌をうたうことについて考えたり考えなかったりしている。 このアルバム発売以降、すこしのあいだ「渋谷系」というジャンルの見直しが図られた。それはこのアルバムにたずさわったコンポーザーのおおくが、「渋谷系」…

夢を持ち続けること

なにか鬱積したものがあると吐き出したくなる。 その結果として吐き出したものが汚いものとは限らない。文字どおり吐いたら、その吐瀉物がキラキラしてることなんてまずありえないのに、べつの方法として吐き出すとキラキラしていることもあるのは不思議だ。…

記憶のなかの音楽(大学入学以降)

さて、大学に入学した僕であるが、はたしてなにを聴いていただろうか。やはり思い出せない。とにかくヘッドホンやイヤホンにこだわっていたように思う。 Dream TheaterやProtest The Heroなどはまだ継続して聴いていたように思う。おぼろげではあるが、記憶…

記憶のなかの音楽(高校卒業まで)

小学生ぐらいのころ、僕は音楽をあまり耳にするような環境にいなかった。 CDを買うお金も、インターネットもなかった。たぶん、当時の多くの子どもがそうだったように。(1990年代の話) そして最大の障害として、テレビ、殊に音楽番組を視聴しない家庭だっ…

印刷をするときに気をつけたこと(気をつけたかったこと)

閉じる側の余白を大きくし、反対側の余白は小さくすること。 この応用として、上の余白よりも下の余白を小さくした方が見た目が良い気がする。 ヘッダーに標題が書いてあるのもかっこいいかもしれませんね。 余白を変更する際は行数などのページ設定の変更に…

これはメモです。

卒論です。卒論を書くのです。 参考文献の整理はきちんと。著者名順にソートできるようにExcelで管理してもいいかもしれません。 提出形態はまだ考えなくてもいいけれど、直前になってあわてないように。 Wordをつかって書いているなら、「スタイル」で見出…

生者のために「悼む」

中学時代の同級生の通夜に参列してきた。 こう書くと「喪に服せ」と言われそうだが、ぼくは生きていかなければならないし、喪に服しているあいだに失われしまうものもある。留めることができるのは、生きている限りにおいてだけなのである。 訃報はメールで…

物語ることと表現すること――「舌切雀」の語り

「むかし、むかし」あるいは「いまはむかし」から語りはじまる昔話は、その時代を設定しないことによって普遍的な価値を保ってきた。それはいわゆる「大きな物語」として機能し、「正しさ」の担保であった。そのような物語が口承で、つまり可変的なテクスト…

VOCALOIDと「声」

さきほど届いた、すーぱーそに子のアルバム『SONICONICOROCK Tribute To VOCALOID』を聴きながら書いています。タイトルからわかるように、このアルバムは、VOCALOIDに歌わせていた楽曲を人間が(架空のキャラクタを装いつつ)歌っている作品です。「ニコニ…

サブカルチャーというかいわゆる「おたく」的な話

ぼくは「おたく」と自称できるほど、なにかにのめり込むということがあまりないのですが、世間的にはちょっとアニメが好きだったりすると「おたく」と呼称される節があるように思います。つまり、ぼくは知らぬところで「おたく」と呼ばれる存在なのかもしれ…

one's future

後期最後の発表で、「卒業論文は桜庭一樹で書く」という宣言はしましたが、どんな内容で? という面であまり詰められていませんでした。(とりあえず、他者から共同体、その先の家族へ接続するというようなことを言ったような気がしますが……。) ぼくは「家…

わたしを探しに

「みんな、わたしのことを理解してくれない!」 思春期にありがちなのか、はたまた創作の世界だけでありふれたものなのかは判別しにくいが、承認欲求の発露というのは、こうして俯瞰してみると実に痛々しい。 そもそも、「みんな」とは誰で「わたし」とは誰…

プリズムの夢

ひとの嗜好というのは、どのように形成されるのでしょうか。親キョウダイと似ても似つかない趣味というのが発現する原因というのは、学校だったりもしくはテレビ(存外に軽視できないメディアだといまでも思います)だったりするのではないかと僕は考えてい…

きみを傷つけよう

「人を傷付ける」という表現は、きっと「外傷を負った」という意味で用いられることが一般的であると思う。そして、その行為は非難されることが多い。 けれど、人というのは日常的に傷を負って生きているのではないか。いつの間にかプラスチックケースに傷が…